監査論における経済学的アプローチ

現代監査の特徴

リスクアプローチ

効率的な監査の実施を重視するアプローチ

  ↓

ビジネス・リスク・モデル

監査の有効性、不正の摘発を重視する観点が重視

*監査の有効性の問題を提起した重要な文献

Public Oversight Board, The Panel on Audit Effectiveness, Report and Recommendations, AICPA, 2000.

監査論研究の制約

経済学的アプローチ(2つのアプローチ)

・資本市場のアプローチ

株価実証研究に代表されるような、資本市場における会計情報の問題を検討する

・契約理論アプローチ

エイジェンシー理論を中心とした、利害関係者観の契約関係に着目して会計情報等の問題を扱う

現代監査の有する3つの特質

@二重責任の原則

会計情報の作成は経営者の責任のもとで行われるものであり、監査は作成された財務諸表等の情報を第二義的にチェックされるもの

A監査報告書は短文式の標準化されたもの

監査報告書

特異な限られた情報内容しかもたない

B監査および監査報告のタイミングの問題

監査プロセスにおいて何らかの事実を発見したとしても、多くの場合、それは、監査報告書が公表されるまでの間に、別のチャネルを通じて公表されている

 

<参考文献>

町田祥弘「監査論における経済的アプローチ(1)」『企業会計』Vol.54,No.7、中央経済社、20027