会計研究の役割と方法−実証研究の意義と課題−
実証研究の皮肉な「役割」
アメリカの会計研究=実証研究
意思決定有用性アプローチの「制度性」
「正しさ」の証明の不要な「制度」
↑
「誤り」を指摘した膨大な数の実証研究
↓考慮されず
基準設定と会計研究の間に著しい乖離
実証研究における2つの問題点
@統計分析を目的とした実証モデルを用いて会計情報の「有用性」をテストする実証研究
ex)会計情報と証券市場の関係を分析する市場指向型の実証研究
理論に基づかない実証研究
→会計データの統計分析(予備調査)
A研究しやすい、あるいはデータの集めやすいトピックや仮説が選択される傾向
ex)会計情報と経済主体の関係を分析する仮説検証型の実証研究
実証研究の基礎としての理論研究の重要性
実証研究には確固とした理論的基礎が不可欠
統計分析の前提となる仮説の設定やモデリングの段階での理論的考察が実証研究においては決定的に重要
<参考文献>
藤井秀樹「会計研究の役割と方法A」『企業会計』Vol.54,No.8、中央経済社、2002年8月