第1章 国際化時代の会計−国際会計の意義−
1.国際会計の必要性
経済活動
自給自足経済→地域経済→国内経済→国際経済
事業形態
個人事業→地域企業→全国的企業→多国籍企業
企業活動が急速に国際化した要因
(1)我が国企業の海外における生産・販売体制の確立
(2)海外企業の我が国競争市場への参入の活発化
(3)資金調達・運用方法の拡大
(4)技術の視点・受け入れの頻繁化
会計
企業の利害関係者が、適切な意思決定を行えるように、経済主体の経済活動を記録・測定し、その結果から得られた情報を伝達する技法
問題
国際的比較可能性を具備した会計情報の提供のあり方
慣習や経験の所産として発達した企業会計
法制度、政治制度、企業所有の形態、企業の規模と複雑さの相違、社会的風土、企業経営と財政制度の発展水準、法的な企業間焦土、特定の会計立法、企業のイノベーションの速度、経済発展の段階、経済成長形態、専門的会計職業教育の地位と組織等の環境的な影響
↓
各国の会計制度の調和化・統一化の基礎となる
2.国際会計の概念
国際会計の概念
国際会計は、もっとも広義に一般目的・国家指向の会計を、(1)国家的な比較分析、(2)多国籍企業取引および多国籍企業に固有な会計処理および報告、(3)国際的金融市場に関する会計状のニーズ、(4)政治活動、組織的活動、専門的職業活動および基準設定諸活動による、世界的な会計処理および財務報告の多様性の調和へ展開する
国際会計とは、各種の社会的必要性を充たすことを目的として、自国の会計制度やこれを基礎付けている会計理論をはじめとして、秋外諸国のそれらを利用可能な方法を用いて、理解し、認識することを課題とする研究領域である
会計領域
国際会計は、国際的に営まれる個人または組織体の経済活動について、会計情報を測定し伝達する差異の諸問題を扱う会計領域である。それは、個人または組織体の経済活動が国境を越えて伸びていくにともなって、新しく展開した会計領域である
3.国際会計の領域
国際財務会計
企業の外部利害関係者に有益な情報を提供することを主たる目的
国際管理会計
企業の内部利害関係者(経営管理社)に有益な情報を提供することを目的
<参考文献>
木下照嶽、中島照雄、柳田仁編著『文化会計学−国際会計の一展開−』税務経理協会、平成14年6月