会社会計基準序説
第1章 会計諸基準
会計の目的
企業に関する財務上の資料を経営者、出資者及び公衆の要請にかなうように?集編成して提示すること
F/Sの作成、解釈
会計諸基準の首尾一貫した体制が判断の基盤として役立つことが必要
会計諸基準
組織的であり、公平で非個人的であるとともに、観察可能な客観的な事態に適合していかなければならない
出資と経営の分離
会計の重要性=会社の発展
大企業〜所有と経営の分離
不在者に情報を供する機能(情報提供機能)
→会計基準の必要性を著しく増大
総括的な情報を提供することには、多くの技術的な困難
→会計基準の発展(会社の出資者持分の正当な保護を計る)
会計諸基準
変わりやすい通則や技術の中で
↓
公正な取り扱いを計るための道標を供する責任を負う
会社経営の公共的性格
大会社〜準公共的な制度
義務:賃金労働者、政府、公衆
公共の利害の程度の拡大
→複雑さが増す
経営者の至上の義務
すべての関係ある権益について釣合の取れた考慮に基づく決定を行う
会社会計の、信頼し得る、適切な情報を提供するという義務が、その会社の業務に関する公衆の利害の程度によって非常に重大
会社の報告財務諸表−公共的な性格
経営者−公的な責任を自覚することを要求される
↓責任を受け入れると
会社会計諸基準を発展せしめまた利用することが必要となってくる
資本・・・公共の利益に役立つような産業に経営者が資本を有効に利用し得る企業に流入すべき
会社の社会的な重要性−損益計算書との関連において明らか
収益力についての信頼し得る情報
資本が有能な者の手中へ流入し、また不要産業から流出することに対して重要な助けとなり得るから
職業的会計士の立場
二重の責任
@出資者その他の利害を会社の経営者に対して代表
A経営者をすべての利害関係者たちに対して代表
指導と支持とを与えてくれるような会計諸基準の明確な組織の利益をまだ共有していない
会計諸基準の性格
原則(Principles)−普遍妥当性、恒久性
*会計=人間用役による制度
会計基準のステートメント
会計の機能、すなわち、事業の財務上の事実を意味ある形で表現する手段としての機能に関して総合的な見解を表明するべき
+事業ならびに財務上の実用的な道具
現存の実務
自己矛盾を内包
会計諸基準の構成
内容の説明のみより構成されるべき
「会計基準(accounting standard)」
「標準会計(standardized
accounting)」
規制された手続をそれから外れることに対する制約
ある状況を評価するにあたって判断を行使することに対する制約
通則〜企業によって異なる
→法典化(=無益)
「すべての型の企業が一つの方法に帰することを望むのは愚か」
基準
背離を必要としまたそれを明らかに正当化しうる場合に、この背離を測定するための計器
→実務を非弾力的に限定したりすべきではない
会計諸基準
最良のタイプの自由に選ばれた経営政策を示すもの
会計基準
秩序性、組織性、脈絡性、観察可能性、客観性、調和性、非個人的、公平性
*体系化された基準
↑必ずしも
一般的に受け入れられている実践慣行と一致しない
我が国の企業会計原則
財務諸表準則的性格が著しい
AAAの諸原則
基礎概念の規定あるいは原則的な考え方に相当の重点を置いている
<参考文献>
ペイトン、リトルトン 訳:中島省吾『会社会計基準序説』森山書店、1953年