連繋観と非連繋観
資産負債中心観、収益費用中心観
→非連繋観の枠内で論議
連繋観
貸借対照表と損益計算書が連繋していなければならないとする考え方
<前提>
資産・負債と収益・費用が相互に影響しあう関係にあること
非連繋観
資産・負債と収益・費用は、それぞれ独立の目的から定義されるべき
○問題
現行実務における財務諸表が連繋観に従ったものと必ずしもいえない
EX)資本直入の会計処理
現行の財務諸表が連繋観ではなく非連繋観に従っていると考えた場合
連繋観を前提とする資産負債中心観対収益費用中心観の対立の構図については、再整理する必要
資本直入の会計処理について(徳賀論文)
「評価次元の資産負債中心観」が適用
複式簿記とクリーン・サープラス関係は維持されていない
・実現利益が投資指標としての価値を有する
・ストックの個別の評価額自体が投資情報としての価値を有する
→非連繋観による会計処理も首肯できる
関連する論点
包括利益の報告の問題
実現利益の投資指標としての役割を保持しながら、資産負債中心観による利益を包括利益として表示するかという問題
↓連繋観と非連繋観という構図でとらえると
純利益から包括利益までの調整計算は、非連繋観による期間利益を連繋観による期間利益に還元する計算
⇒非連繋観と連繋間による2つの期間利益を公表すべきか否かという問題
<参考文献>
斎藤静樹編著『会計基準の基礎概念』中央経済社、2002年11月