中国会社法及び証券法の改正
中国の会社法
1993年12月29日発布、94年7月1日施行、99年12月25日修正
第9期全国人民代表大会常務委員会
会社法の改正が立法計画のなかに組み込まれた
李鵬:商事法の立法作業を効果的に進めるため、会社法の修正と補足
会社法の改正作業
国務院法制機関によって進められている
中国証券監督委員会(証券市場の管理にあたる機関)
上場会社の管理準則、上場会社の独立取締役制度の導入に関する指導意見、上場会社株主総会の規範意見(2000年改正)、上場会社の他人への担保提供に関する中国証監会の通達などの一連の規則を発布
中国証券法(1998年12月29日発布、99年7月1日施行)
不完全な規則も存在
施行の過程で提起された問題も存在
改正の準備が整い始めている
中国証監会
欠損を出した上場会社の上場一時停止とその終了に関する実施弁法、上場会社の株式割当の関連問題に関する通達、上場会社の株式公募に関する暫行弁法、上場会社の新株発行に関する弁法などの一連の規則を発布
↑
証券法をさらに具体化させ、操作性も高めようとするもの
1999年会社法改正の主旨―ハイテク株式会社の発展の助長
会社法の改正(1999年12月25日)
2か条が改正
67条における国有独資会社の監査役会の設置及び監査役会の構成、職権などの内容の追加
229条2項における「ハイテク株式会社の発起人が工業所有権及び非特許技術の価値をもって出資する額の会社登録資本に占める割合、会社の新株発行及び株式上場に関する申請は、国務院が別途規定することとする」という規定の追加
改正の目的
ハイテク株式会社が証券市場への参入によって融資を取得することにより、ハイテク産業の育成を促進するため
229条2項を追加した目的(3つの問題の解決)
@ハイテク株式が社の発起人の工業所有権、非特許技術による出資会社の登録資本に対する比率を高めること
旧会社法80条2項
発起人の工業所有権、非特許技術権による出資は、株式会社の登録資本の20%を超えてはならないと規定
↓
ハイテク株式会社の多くの発起人は、ハイテク技術を有する専門家であり、工業所有権、非特許技術権による出資を20%に限ってしまうと、これらの発起人の需要を満足することができず、ハイテク株式会社の成立さえも困難
⇒比率の引上げは必要
A会社の新株発行の条件を緩和すること
会社法137条の規定
会社が新株を発行する際、前回発行された株式の募集が完了し、かつ発行から1年以上が経過しているという条件
ハイテク株式会社
証券市場においてかなりの資金調達を行なう必要
⇒「1年以上が経過している」という制限を緩和する必要
B株式上場の条件を緩和すること
会社法152条
株式上場を申請する会社はその資本総額が5,000万人民元を下回ってはならないと規定
ハイテク株式会社
設立当初ほとんど小規模な会社である場合が多く、5,000万人民元の資本総額という条件を満たすのは困難
*会社法の改正
国務院
いまだ相応する規定を制定していない
中国証監会
ベンチャー企業の株式発行や上場に関する規定の制定作業に着手したが、今なお依然として意見を募っている段階
ハイテク株式会社に関する会社法229条2項の規定
実践上はまだ実施されていない
→ハイテク株式会社の新株発行と株式上場
会社法の旧規定と中国証監会の旧規定に従う
<参考文献>
志村治美編著『東アジアの会社法―日・中・韓・越の現状と動向―』法律文化社、2003年、P113〜115