スチュワードシップと責任
・会計方法のもとにあるイデオロギーの『対立性』の重要性
・『チャージ』と『ディスチャージ』という語によって示される対立性
→個人的な会計責任およびスチュワードシップ責任の概念と関連
保管人責任
長い間一つの法的関係
所有関係に対立するものとしての会計責任を表現
→この種の責任
『スチュワードシップ』
↓この用語
英国封建時代において用いられた会計方法の背後にある中心的な思考を表現するときに重要
英国封建時代の領地
事実上その範囲内で必要な生産とサービス活動が注意深く分離されかつ監視される自給自足的な共同生活
・それぞれのサービスの領域において、日々の活動や結果について詳細な記録
穀物倉庫、製粉場、パン製造所、食堂(相互に関連)
領地住民による使用中の穀物を食物に加工する連続的な持ち場
記録
(1)受け取られた材料、(2)加工製品、(3)手元にある材料もしくは製品
記録作業に不可欠なもの
入庫、出庫、残高
→あらゆる現代的勘定も同様な機能を提供
⇒スチュワードシップの観念
封建的荘園の領主屋敷の時代
スチュワードシップ
⇒会計の本質そのもの
社会
ある一定の責任を担っているいろいろな住民階層化から成り立っている
責任
主に下の方への明瞭に割り当てられた義務
獲得した義務を履行する責任
チャージ・ディスチャージのタイプの会計記録
スチュワードシップについて実際に報告することを可能
元帳勘定の基礎にある特徴的な概念のあるものは荘園会計よりもっと古い
・エジプトの記録係
・納税者が宝庫に運び込んだものをすべて適切な分類によって記録
・政府役人が引き出したものをこの記録から控除
初期のタイプの記録
いろいろな種類の入ってきた賦課物と税収入の出て行った使用額と残っている財貨の種類を表示するデータを示すことが出来た
記録活動の背後→ある種の動機的信念
収益の流入についての情報
将来の租税に関連する政府の意思決定に有用
手元にある財貨の種類および金額についてのデータ
毎日利用可能
有用な情報についてのこのような信念を満足させる行動
→財貨の種類による勘定分類を論理的に生み出す
→棚卸計算と結びつく
・初期の職人ギルドの収入係
・会費を徴収
・ギルド役人からの命令に従って支出
・都市税の徴収者
同様の責任を引き受けた
個人的な会計責任
記録上の実務についての動機を提供
参加している個人
受け入れられた責任、解除された責任、およびもしあれば残された責任に関する報告に関心
案出された記録
忠実なスチュワードシップについての適切な報告を作成する目的に貢献
→是認しうるようなもの
<参考文献>
上田雅通『会計の連続』税務経理協会、1997年9月