中国の会計制度と会計準則
中国の会計制度の体系
@全国人民代表大会及びその常務委員会が定めた会計法律
A国務院あるいは各省、自治区、直轄市の人民代表大会及びその常務委員会が制定した会計行政法規
B国務院各主管部門或いは省、自治区及び直轄市の人民政府が制定した会計行政規則制度
(1)会計法律
国家立法機関により制定、公表された会計行為の規範
会計制度体系における重用な地位を占め、会計制度体系の最高層にあるもの
その他の会計制度は根本から会計法律と一致を保たなければならない
二つの形式
会計行為規範に関する法律
「中華人民共和国会計法」
「中華人民共和国公認会計士法」
その他法律における会計に関連する法律事項、規定
ex)「中華人民共和国会社法」、「中華人民共和国経済契約法」などの法律における関連条項
@「中華人民共和国会計法」
1985.1.21
第6期全人代常務委員会第9回会議:採択
1985.5.1
施行
1993.12.29
第8期全人代常務委員会第1回会議:改正
中華人民共和国首席江沢民第17号令:公布
1999.10.31
第6期全人代常務委員会第12回会議:改正
「会計法」
会計実務の基本的大法として会計事務を担当する人及び会計処理を行なう場合の法律規範で、かつその他の会計法規制度を制定する基礎と根拠となって、会計事務に関する法的建設の綱領的な文献
会計人員のために、会計活動を行うとき、すべきことは何か、してはいけないことは何か、すればどんな法律責任を負うかといういわゆる会計行為の準則を規定
A「中華人民共和国公認会計士法」
1993.10.31
第8期全人代常務委員会第4回会議:採択
国家主席第13号令:公布
1994.1.1
施行
中国の経済法律体系における公認会計士に関する唯一の法律
7章46条で構成
Bその他法律における会計観系の法律条項
会計に関する条項が多い経済法律
「中華人民共和国会社法」、「中華人民共和国契約法」、「中華人民共和国外商投資企業及び外国企業所得税法」、「中華人民共和国と置換理法」、「中華人民共和国特許権法」、「中華人民共和国商標法」、「中華人民共和国倒産法」、「中華人民共和国対外貿易法」等
(2)会計の行政法規
中華人民共和国国務院、各省、自治区、直轄市人民代表大会及びその常務委員会に公布された会計行為規範
・強い実用性
会計法律に対する説明あるいは具体化されたものが多い
会計事務、会計事務管理の面での具体的規範
中国の会計制度体系の中で重要な地位を占め、会計法律と会計行政制度を繋ぐような役割
(3)会計行政規則と制度
国務院に属する各行政主管部門(財政部)、各省、自治区、直轄市人民政府に公布された会計行為規範
ex)「企業会計準則」、「企業財務通則」、「鉱業企業会計制度」、「商品流通企業会計制度」、「天津市会計帳簿管理実行方法」など
会計行政規定と制度は各方面の会計事務を規範して、中国の会計制度体系における重要な構成部分
(4)中国の業種別会計制度
業種別会計制度
ある特定業種の会計計算を評定し、指導する具体的会計規範
中国の現行会計制度
国民経済を若干の業種に分け、各業種にそれぞれの会計計算制度を制定して実行
ex)鉱業企業、商業流通企業、農業企業、施行企業、不動産開発企業、旅行飲食サービス企業、鉄道運輸企業、交通運輸企業、航空運輸企業、郵便通信企業、金融企業、保険企業、対外経済合作企業など
各業種の会計制度
「会計法」、「企業会計準則」を貫徹
各業種に適用する会計科目と会計諸表を設定、おもな会計事項の仕訳を列挙
1998.1.1「株式会社会計制度」
会計科目が合わせて76
外部へ提出する財務諸表
@貸借対照表
A損益計算書
Bキャッシュ・フロー計算書
C付属明細書
月次財務報告、中期財務報告、年度財務報告
提出先
現地の財政機関、口座開設銀行、財務機関、証券管理部門、株主
<参考文献>
『日中会計モデルの比較研究』税務経理協会、2001年3月、75〜81頁